第10回 レポートの下書き
授業の流れ
1.要約(15分+10分)
2.要約フィードバック(15分)
- 全体的に、新聞記事を要約する技術は身についてきている。
- どの情報を要約文に載せるか?
→ 要約が指定より長くなりそうな場合、記事の主題が何かを見極めて、主題に関係ない情報は切るようにする。
3.作文FB(20分)
- 問題提起の仕方。
問題の背景をした後に、問題提起を行うが、何がどのように問題なのか、具体的に分かるように問題提起する必要がある。
Ex.それでは健康とはなんだろうか? → 抽象的すぎる。
それでは、健康とはどのような概念なのだろうか?
→ それぞれの問題提起の部分を確認しながらグループワークを行った。
4.期末レポートの下書きチェック(20分)
- テーマごとにグループを作り、それぞれの下書きについてコメントし合うグループワークを行った。
感想
- 博士課程の学生や母国でレポートの書き方やレポート的な思考方法を身につけてきた学生は、主題を立てる→本論を書く→結論を書く というレポートの組み立てがうまい。日本語の表現としてはおかしいところがあっても、レポートの構成がしっかりとしているので、レポートとして何が書きたいのかが分かりやすく、添削もしやすい。
対して、レポートの構成が苦手な学生は、作文能力が高くても、「自分で論を組み立てる」というところで躓いているため、結局何を言いたいのかよくわからなくなってしまう。そのような学生は、自分がどこに関心を持っているのか、取り上げる主題のどこに問題があるのかなど、主題を立てることを苦手としているように見えた。そのため、文献を読む、情報をまとめるといった基本的な能力は高いので、ブレインストーミングをしたり、マップを作るなどして、どうやって問いを立てて、どんな結論に向けて論を進めていくのか考える練習が必要だと感じた。
- レポートの構成がうまく、下書きをうまくかけているように見える学生も、自分で「どこまでが序論で、どこまでが本論で、どこまでが結論なのか」よく分かっていないケースが見られた。特に、本論の考察部分と、結論部分の違いが曖昧になっているようなので、「結論では今後の課題を示す」など、具体的な結論の書き方をイメージできるようにする必要があると感じた(一番最初の授業でレポートの見本を配っているので、その存在を思い出して、参照してもらうのがいいかもしれない)。