J850 書く 授業記録

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第四回 定義、分類の仕方、第6課

基本情報

参加学生:14名(欠席:2名)

 

授業内容

1.要約文の作成(15分)

全ての学生が、13分程度で作文を完成させていた。

2.要約FB(20分)

取り上げられた例文は計5つ。

例1、例2:パラフレーズがうまく行っているもの。

例3~例5:内容の理解は十分で、要約もうまくできているが、「情報をまとめる」まであともう一歩なもの。

ポイント:記事の全体の構造を捉え、情報をまとめることが大事。

・重要な情報は第一文にあるとは限らない
→今回の記事は、一文目に情報源、二文目に文章のテーマという構造を取っていた。「それによると」というような接続詞に着目して、どの情報を取り出すか見極めることが必要。

・具体的な数値より、全体を捉える言葉
→数値が多く出てきた場合、具体的な数字(若者では○%から●ポイント増加した)より、全体を捉えている言葉(「若者の間に急速に普及している」)を取り出す。

・全体の構造を捉える
→今回の記事は、一段落目と二段落目では言及している対象が異なるため、話題が何かに着目して、それぞれの段落をまとめる必要性がある。

注意

・「年」と「年度」の違いに注意!

 

3.作文FB(20分)

三つの例文を例に、FBが行われた。

ポイント

1.「引用」を忘れないこと
→「~によると」「~によれば」という、引用の明示を忘れないこと。今回の課題では、ノートの引用部分がわかりにくかったが、少なくとも、タイプA行動パターンとタイプB行動パターンの引用元は分かるようになっている。

2.説明不足に注意

→今回の課題は、構成パターンは全体的にうまく書けていた。しかし、構成パターンにそのまま当てはめるだけでは、論理的な流れとしては不十分になってしまうことがある。
Ex.「行動パターンには、XとYがある。本研究では、Xを取り上げ、検討を行う」
→なぜ、その研究を行うのか、論理的な流れが途切れている。
「本研究では、Xの○○面を対象とし、分析する」
「以下、近年減少しつつあるYについて考察をする」
のように、何を取り上げるのか、なぜ、取り上げるのかなどの情報を補足することで、論理的な流れができる。

注意

分かれる?分けられる?
「XはA、B、Cの三つに分かれる/分けられる」
→「分かれる」でも文法的には間違いではない。しかし、誰かが明らかな意図を持って分類していると考えられる場合、自動詞では不自然であるため、「分けられる」を使うべきである。

 

4.第6課の説明(15分)

図表の提示の仕方

ポイント

・基本のパターンをまず覚える
→応用パターンとして、教科書とは異なるパターンで書くことも可能だが、基本的には「図表の提示→データの説明→判明事項の指摘」という基本パターンに沿ってレポートを書くこと。

・筆者の評価が入る表現の扱い
Ex.「回答者の30%にすぎない」→「30%しかいない」というような筆者の評価を含んだ表現
→基本的に、実験結果など、客観的なデータを重視する理系ではあまり用いない。
論理展開を重視する文系では用いる(中立的な「である」との違いに注意)。

・以上?以下?未満?~を越えている?
→「以」が入ったら、その数値を含むと覚える(「50%以上」には、50%が含まれる)。

注意

・自分で作った図表には、「~に示す」を使う。
→「~を示している/示したものである」はどちらにも使える。

・「ぐらい」は口語的なので、レポートや論文では使用しないこと。

 

授業メモ

・今回の宿題で、論理的にスムーズな文章を書こうとすると、教科書にあるデータだけでは足りない。
①「構造的には正しいが、このままレポートにするとちょっとおかしい」という直感が働くようにする必要があると感じた。(実際のレポートや論文をたくさん読む、書く、など)
②インターネットで検索しても、信頼性のある情報に辿りつけるので、教科書では情報が足りない場合は、自分で検索したり、本を探したりする癖を身につけて欲しいと感じた。

・教科書を忘れたり、宿題を提出していない学生が毎回いる。特に、この授業は作文なので、アウトプットは非常に重要。宿題を出すことを習慣付けて欲しい。先生が、個人個人に声をかけてさり気なく注意をするのは効果的だと感じた。

 

感想

メンバーも固定され、学生の名前も大体覚えられた。今後は、宿題を忘れがちな学生、大人しい学生、グループ分けの時に積極的に発言する学生など、各々の学生のキャラクターも、少しずつ把握していきたい。