J850 書く 授業記録

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第四回 変化の形容、第8課

基本情報

参加学生:10名

 

授業内容

1.要約文の作成(15+5分)

2.要約フィードバック(20分)

  • 何を省略するか、考えながら要約する。
    Ex.「厚生労働省が発表したXによると……」
    → 厚生省の発表によると……、Xによると……、厚生省によると……
    省略できるものは何か見極めよう。

  • 推計する?推測する?推察する?
    「推計する」→×
    「推測する」→測れるもの(明確な数字に基づいたもの)に用いる
    「推察する」→測れないもの(先行文献など)に用いる

3.作文フィードバック(30分)

  • データの説明は具体的に!
    「AはX%増えている」というように、数字を挙げて説明することで、説得力が増す。

  • 結果と考察の区別を!
    「AからBがわかる/明らかである」
    結果の説明にも、考察にも用いることのできる表現。
    「AからBがわかった」→結果
    「AからBが明らかになった/といえる/考えられる」→考察
    というように、使い分けてみると良い。

  • 実例から
    同じデータを扱っていても、地域ごとの特徴に着目するか、時代の変化に着目するかによって、明らかになることが異なる。

  • とともに?にともなって?にしたがって?につれて?
    グループジャマシイ編(1998)『日本語文型辞典』、くろしお出版から説明
    (※今後、上級クラスの学生は、このような文型辞典をひく機会が増える。)
    • 共に:汎用性が高い
    • 伴って:「共に」と殆ど同じだが、よりformal
    • に連れて:連動した変化のこと。バラバラであるはずのものが一緒に動くイメージ
    • に従って:あるひとつのできごとに従属した変化のこと

  • 今日は時間の関係で、グループワークはなし。


4.第8課の説明

  • 説明が先?結論が先?
    これまでは、図表データの説明→結論というパターンを勉強してきたが、結論→説明というパターンもありうる(特に、理系や英語を意識した文章では多く用いられるパターン)。
  • 判明事項の指摘の仕方
    • 図AからXがわかる/明らかである。
    • 図Aから分かるようにXである。
      →Xが短い場合は前者、長い場合は後者を用いる。

  • "(名詞)のに対し・・・"
    「こと」ではなく「の」を用いること。
    決まった文型として覚える。

  • 「は」と「が」の使い分け
    Aは上昇し、Bは下降した。
    Aが上昇したのに対し、Bは下降した。
    →「~が~のに対し」のように文章が一度切れる場合、「が」を用いる。

  • 「Aのうち/うちで/の中で/、最も~」
    「うち」と「なか」の使い方に注意。
    • 「うち」:「うち」もしくは「うちで」
    • 「なか」:「中で」(「~中」のように、「中」でとめない!)

授業の感想

  • フィードバックで取り上げる例文について
    フィードバックの例文で取り上げられた学生がとても喜んでいたので、授業のモチベーションに繋がりそうだった。
    → できるだけ満遍なく学生の答案を取り上げること

  • 今回はトピックスが多かったため、グループワークの時間を削って第8課の説明をした。前回同様、授業時間が足りなくなる場合に備えて、何を優先するかを決めておくのが重要であると感じた。
  • 「に連れて」「ともに」「したがって」の説明がまだ、自分ではうまくできなさそうなので、次回までに調べておこうと思います。